1972年横浜市生まれ。7歳でサッカーを始め旭高校3年生の時に全国高校選手権でベスト8に。卒業後は三菱自動車に所属し、1993年Jリーグ開幕時は浦和レッズで活躍。18試合に出場し7得点を挙げチーム得点王に輝く。1996年ブランメル仙台(現ベガルタ仙台)に移籍し、1998年に現役を引退。奥様はTBSアナウンサーの小倉弘子さん。
渋谷:
サッカーと言えば、来年2010年に南アフリカで開催されるワールドカップ! 日本も、ね! おめでとうございまーす!
水内:
決まりました! やっぱり決まらないと僕らの仕事にも影響してきますし、サッカー界が衰退してしまいますよ。やっぱりワールドカップに出続けるっていうのが日本サッカーのテーマですよね。今、出るのが当たり前みたいに思われてて、勝たないとダメみたいなこと言われちゃうんですけど、まずは出ることが大事だし。
渋谷:
日本の選手の皆さんもハードな練習や試合を重ねてると思うんですけど、海外の選手も同じですよね。
水内:
もちろんそうですね。僕もいろんな国に行ったことがあるんですけど、どこへ行ってもサッカーはやってますね。で、「サッカーやらせて」って言ったら仲間に入れてくれます。例えばロンドンに行った時も、ロンドンですからみんなサッカーやってるわけですよ。で、仲間に入れてもらってやったりだとか。もうケチョンケチョンにしてやりましたよ。「お前うまいな!」って言われて(笑)
渋谷:
あはははは。そりゃそうですよ(笑)。常にサッカーというスポーツも発展してきていると言うか…。
水内:
日本もワールドカップに出られるようになったのは、Jリーグができてサッカー文化が根付いてきたこともあるし、日本が急速に強くなったと思うんですけど、でも、世界のサッカーで何百年という歴史があったりして、さらに進化しているので、なかなか追いつけ、追い越せってはいかないですよね。
渋谷:
その中で戦っていかなきゃいけないわけだから、今回のワールドカップ出場が決定したというのはすごいことで、大変なことだったんですよね。
水内:
すごいことです。
渋谷:
そんなワールドカップに夢中にさせる魅力って何だと思いますか?
水内:
サッカーっていろんなレベルがあると思うんですけど、そのレベルの中の最高峰ですよね。Jリーグで優れた選手が集まって日本代表ができて行く。日本代表もアジアを代表してワールドカップ(世界大会)に行くわけですよね。そこで世界各国の強いチームが集まってやる大会なので、それに全てをかけてるっていう選手が何万人いるかもしれないっていう、その一戦にかける思いっていうのはあると思うんですよね。僕なんかは一ファンとして4年に1回、夜な夜な観ますよ。
渋谷:
世界中の選手達が、それにかけて選手時代を送ってきたわけだから…。
水内:
4年に1回、オリンピックもそうですけど、それにピークを持ってくるって大変じゃないですか。例えばプレーヤーとしてすごく充実していても、ワールドカップの前にケガをしてしまったり…。もうそれは運でしかないですよね。ワールドカップに2回、3回と出てる川口選手なんかもそうですけど、やっぱりすごいですよね。
渋谷:
明日は父の日ですけれど、水内さんは、去年お父さんになられたんですよね!
水内:
お父さんになりましたね〜。
渋谷:
パパ・水内猛さん!
水内:
そうですね。ま、でもウチは“パパ”って呼ばせてないんで。ウチはお父さん、お母さんって言わせてます。だから今「とったん」「かったん」みたいな。
渋谷:
あ、もう、ちょっと喋れるようになったんですか?
水内:
ちゃんと言えてるのか、どうかなって感じですね。でも、ウチの奥さんが今、昼にテレビに出てるんですけど、それを見て「あー」って言ってますから。多分分かってると思います。1歳3ヶ月なんですけどね。
渋谷:
1歳3ヶ月なので、父の日のプレゼントは期待されてないと思いますけど、すくすく育ってくれてるってことが、ね。
水内:
そうですね。健康に育ってくれればそれだけでいいですけどね。
渋谷:
家族を持ってからとサッカー選手時代ってまた生活も変わったと思いますけど、スポーツキャスターとして、選手だったからこそ伝えられることっていっぱいありますよね。
水内:
サッカーであればピッチに立っている気持ちも分かりますし、“この時間帯に頑張らなきゃいけないんだけど、この時間は足がつりやすいんだよね”とか思うし(笑)。
渋谷:
そうそう、選手達のリアルな状態や気持ちが伝わってきますよね。でも例えば、“ここは触れて欲しくない”って選手が思うこともキャスターの立場からしたら言わなくちゃいけない…。
水内:
最初はね、やっぱり言いづらかったですね。選手個人のことを言ったりとかはできるだけしなかったんですけど、今は言いますね。ミスがあればそれを指摘するし。だから選手からも「水内さん、あれは言わないでくださいよぉ。僕が一番分かってるんですから」みたいな。
渋谷:
でもそれを言うってことは、視聴者に伝えることだし…。
水内:
テレビでプレーしか見てないと分からないこともあるじゃないですか。だから選手の性格とか言ってあげると、“あ、そういう性格なんだ”とか。サッカーやってる時と普段の性格と全然違う選手も多いですから。だから選手とご飯食べながら“飲みニケーション”をしてね(笑)また仲良くなっていったりだとか。
渋谷:
視聴者のみんなが一歩近づけるようにしてくれるのがスポーツキャスターなのかなって。
水内:
それはあるかも知れませんね、考えたことなかったけど。今度それ使わせてもらいます(笑)。
渋谷:
いやいやいや(笑)。テレビを見てると選手のことをもっと知りたくなるじゃないですか。
水内:
しかも、インタビュー受けてもぼそぼそって喋っててね(笑)。あれは僕も言ったことあります。「やりました!イェーイ!」とかって無いの?って。お立ち台とかって目立つのに。もったいない。
渋谷:
あははは(笑)。かなりパフォーマンス好きな水内さんですね(笑)。近々、観戦するのにおすすめの試合ってありますか?
水内:
ワールドカップ予選も終わって、今日、またJリーグが再開したんですけど、明日! 日産スタジアムで午後2時からマリノスと浦和レッズの試合がありますので。いいカードだと思います。ぜひ観に行ってもらって、ワールドカップ前にね。やっぱりJリーグが盛り上がらないと日本のサッカーは盛り上がらないですし、その先に代表があって、ワールドカップがあるので。
渋谷:
盛り上げて行くのが私たちの役割ですものね! ワールドカップへどんどん気持ちを上げて行きたいですよね!
水内:
これでサッカーが好きになる人っていうのが一人でも二人でも増えればサッカー界にとってもいいことですし。ぜひ観に行ってください!
2009.06.20 O.A
スポーツキャスター
水内猛さん
1972年横浜市生まれ。7歳でサッカーを始め旭高校3年生の時に全国高校選手権でベスト8に。卒業後は三菱自動車に所属し、1993年Jリーグ開幕時は浦和レッズで活躍。18試合に出場し7得点を挙げチーム得点王に輝く。1996年ブランメル仙台(現ベガルタ仙台)に移籍し、1998年に現役を引退。奥様はTBSアナウンサーの小倉弘子さん。