水野仁輔さん
1999年に結成した男性7人組の出張料理ユニット「東京カリ-番長」の調理主任。全国各地のさまざまなイベントに出張して、テーマに合わせたカレーと音楽を提供している。自宅にタンドールを導入し、インド料理にどドップリつかる日々を送っている。最新著書は77のインド料理のレシピを掲載した『スープカレーキッチン』(マーブルトロン)。
渋谷:
「東京カリ-番長」っていうユニットは、もしかして歌とか唄っちゃうんですか?(笑)
水野:
歌は唄わないんですけど(笑)、音楽とカレーをいろんなイベントでお届けしているっていう。メンバーが全員DJをするので、DJしながら、横でカレー作って、BGMと共にカレーを食べてもらう。歌は唄わないですね、さすがに(笑)。
渋谷:
そういうユニットなんですね~。どういう会場でやってるんですか?
水野:
一番多いのがクラブイベントなんですよ。それ以外はショップのオープニングパーティーとか、屋外のフェスやキャンプイベント。もうところ構わず呼ばれたところに行くっていう感じなんですけど。
渋谷:
何カレーを作ってるんですか?
水野:
もうオールジャンルです。日本のカレー、欧風カレー、インド、タイカレーとか何でも作ります。その場所とか来るお客さんに合わせて、僕らの方で考えて毎回新しいカレーを作って行く…。
渋谷:
新しいカレーっていうのは?
水野:
依頼があったら、そのイベント限定のオリジナルカレーを新たに作るんですよ。だからそのカレーはその後2度と作れない(笑)。“毎回新作を”っていうのが僕らのモットーなんで。
渋谷:
すごーい! オンリーワンのレシピなんですね?
水野:
そうです、そうです。でも結局その方が、僕らが楽しいんですよね。「東京カリ-番長」って男7人組なんですけど、元々クラブで知り合っているんですよ。それぞれDJやってて、そういうイベント好きが集まってるんですよね。で、そこにカレーがあると、より盛り上がるってことで、全国各地を回っているっていう感じなんですよ。
渋谷:
ユニットとしての目標はあるんですか?
水野:
47都道府県を制覇するまでやろう!って。だから上手いこと47都道府県から依頼がいただけるといいんですけど。それこそ神奈川県なんか何回もやってるんですけど。
渋谷:
メンバーの皆さんは、カレーのマニアの方々が集まっているんですか?
水野:
カレーが好きなのは、僕だけなんですけど…。メンバーはあまりカレーファンじゃないんですよ(苦笑)。どちらかと言うとカレーよりイベントが好きなんです。だから食べ物は何でも良かったんですよ、ラーメンでも「東京ハンバーグ番長」でも良かったんですよ。でも僕がカレーとかインド料理が大好きなので。でもさすがに10年間やってますから、メンバーもかなりいろんな種類のカレーを作ってますね。腕は相当上がっていると思いますよ。
水野さんは先日『インドカレーキッチン』というインド料理のレシピ本を出されたんですが、この本、ホントに料理の写真しか写っていません。
水野:
はい。レシピと料理の写真だけ。スタイリングをすごくシンプルにして、今までに無いレシピ本の世界を作りたいねって、製作のスタッフの人達と話をして。僕のデビュー作なんですよ。
渋谷:
だけどスパイスの量が半端じゃない…。
水野:
本の中で使用するスパイスの一覧表っていうのを作ったんですよね。で、実際に使うスパイスの種類って、ひとつのレシピに対して、平均5、6種類くらいなんですよ。良くカレーっていうと30種類のスパイスを…とか言うじゃないですか。だけど僕の本では多いものでも10種類ちょっと。少ないので2種類とかから作れるので。5、6種類あればだいたいのインド料理ができますね。
渋谷:
そうなんだ! あと、長い時間煮込んで、というよりは、さっと作れるものもありますよね。
水野:
ありますね。肉を使うものは30分、1時間煮込むものもあるんですけど、そうじゃないものは10分以内で作れるものも。炒め煮してスパイスが入ってっていうものもたくさんあるんで。
渋谷:
そういう感覚、日本人にはあまりないですよね。何十時間煮込みました、みたいな。
水野:
インド料理はパッと作ってできたてを食べるっていうのが一番ウマいんで。だからインド料理のシェフに「これ昨日のカレーなんだけど一晩寝かせて美味しくなってるよ」って言ったら、「え、昨日のカレーを食べなきゃいけないの!?」って感じですよ(笑)。
渋谷:
へぇー。本には日本ではなかなか見かけない種類のカレーがあるんですけども、こういうカレーのアイディアっていうのはどこで召し上がったカレーがヒントになっているんですか?
水野:
やっぱりインドに実際に行ってあちこち食べ歩いた時に、日本のインド料理店には無い味がたくさんあるんですよ。そういうものを自分で再現をしてレシピにしてっていうのが多いですね。
渋谷:
本場の味が受け継がれているレシピになっているんですね。しかも水野さんは家にナンを焼く窯があるそうですね!
水野:
そうなんです。タンドールを自宅に入れてしまいまして(笑)。
渋谷:
インド人もびっくり!っていう(笑)。焼いてるんですか?
水野:
焼いてますよ。インド料理屋さんを廻っているとコックのおじちゃんがニコニコしながらナン焼いてたりするじゃないですか。そうすると自分でもやりたくなっちゃうんですよ。それでお願いして特注で作ってもらったんで、いつでも好きな時にナンが焼けます。
渋谷:
水野さんのご自宅、そして「東京カリ-番長」はリトルインディアですね! では最後に神奈川県でおすすめのカレー屋さんを教えていただけますか?
水野:
インド料理だと、僕が神奈川で一番好きなお店は能見台の「ガネーシュ」ってお店で、元々緑園都市にあったお店が能見台に引っ越してきたんですけど、南北のインド料理をバランス良く出してるお店でホントに美味しいですよ。とにかくカレーは何でも美味しいんですけど、“レモンライス”っていうのがあるんですよ。レモンとスパイスで風味を付けた黄色いご飯で、これは抜群に美味しいです!
◆東京カリ-番長のブログカレー>> http://tokyocurry.exblog.jp/
2009.08.08 O.A
東京カリ-番長
水野仁輔さん
1999年に結成した男性7人組の出張料理ユニット「東京カリ-番長」の調理主任。全国各地のさまざまなイベントに出張して、テーマに合わせたカレーと音楽を提供している。自宅にタンドールを導入し、インド料理にどドップリつかる日々を送っている。最新著書は77のインド料理のレシピを掲載した『スープカレーキッチン』(マーブルトロン)。