スパ・ジャーナリスト 板倉由未子さん
『25ans』などの美容編集者を経て現職に。世界の癒しの現場を駆け巡り、雑誌、ウェブ等で土地に息づく「美とスピリチュアリティ」の融合した企画を提案&執筆している。これまでにアジア、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、アフリカなどを訪れる。現在、エルオンラインで『癒しの地、至福のスパへ』を連載中。
渋谷:
スパ・ジャーナリストってどんなお仕事なんですか?
板倉:
まぁ“トラベル・ジャーナリスト”なんですけども、私の場合は特に“スパ”という分野に注目して旅をするというのに特化している感じなんです。
渋谷:
素敵ですね~! 今まで何カ国ぐらい行かれているんですか?
板倉:
数はちょっと覚えてないんですが、ほとんど南米以外の国は訪れてますかね(笑)
渋谷:
スパというとイメージ的に“アジアンリゾートのエステ”みたいな雰囲気なんですけども、ヨーロッパとか他の国にもあるんですか?
板倉:
私がいつも感じているのは、スパはその土地の文化とか、女性・男性観、あと宗教とか、そういったものをすごく凝縮した空間になっているなって。その土地、その土地で独特の施術があったり、療法があったりするので、アジアに限らずヨーロッパもアフリカ、アメリカにもたくさんあります。
渋谷:
へぇー。完全に仕事モードで行く感じですか? それとも自分も施術を受けてリラックスできたり?
板倉:
一番心がけているのは、やっぱり自分自身がとても心地いいというか、ワクワクしてその体験をしていないと、書く文章とかページ全体に反映されてしまうと思うので、やっぱりワクワクして体験しようという感じで。仕事とかっていうのは考えてないですね。元々旅がすごく好きって言うのがあるから、その土地に行って「ここの魅力は何だろう?」って探して楽しんでます(笑)
渋谷:
板倉さんのレポートや記事を読むと、本当にスパって素晴らしい、夢のような世界に思えるんですね。日本にはサウナや歌、食事、大浴場が楽しめる健康ランドっていうのがありますが、スパと言ったら何が含まれているんですか?
板倉:
空間全体、人のサービスやセラピストさんの所作を含めて、その土地の民族衣装的なもを身につけていらっしゃったり、使う素材も土地の産物だったりするので、「あぁ、こういうものを使って美容法をされているんだな」とかその国らしさを感じられる空間…、もちろん美しくなるための空間ではあるんですけど、その土地の文化が凝縮した空間なので…。だから極端に言えば、観光しなくてもスパを訪れればその国が分かるって、良く言います、私は(笑)
渋谷:
はぁぁぁ。それだけ文化と民族が表現できているところなんですね。
板倉:
だからそういう体験をして、浄化をされた後に街に出て行って、観光なりショッピングなり、いろいろされると、もうすでに体の中で、肌で感じて体験している訳ですから、そこから街に出ると、もうどんどん吸収したいなっていうものが出てきて、受け入れる体勢が、スパに行くと行かないとでは違うというか…。だから私は、スパは旅のエントランスとして利用されるのをおすすめしたいと思ってるんですけども。
渋谷:
余計なものが全てデトックスされて、それでその国を存分に味わえるような体勢になるんですね。
板倉:
そうやってその土地に和んでいくと、やっぱり土地の方達もすごく受け入れてくださったり、より深い関係が土地や人とできるような気がして、とても記憶に残るようないい旅ができるんじゃないかな、と思ってます。
世界中のスパを巡ってこられた板倉さんに、是非ふたりで行くおすすめのスパを教えていただきたいんですけれども、特にロマンティックな雰囲気のスパと言ったら?
板倉:
国自体がすごくロマンティックなので、やっぱりモルディブがおすすめかなと思いますね。
渋谷:
モルディブ!
板倉:
インド洋に1200くらいの島が群衆となっているのがモルディブなんですけども、その中でもひときわ美しいバア環礁というエリアがありまして、空港のマーレから水上飛行機で30分くらいのところなんですけど…
渋谷:
もう水上飛行機で行くって言うだけで、ね!
板倉:
(笑)そこにある、私がとても気に入っているのが、フォーシーズンズホテルのランダーギラーヴァル。
渋谷:
どんな場所なんですか?
板倉:
モルディブ全体がそうなんですけども、空が近くて海もきれいで、白い砂浜で、高い建物が何も無いですし。多分、ふたりでいると全てがふたりのためのもの、みたいな風に思える…(笑)。特にターコイズブルーの海と夕景がとてもきれいで、ピンク色に染まった感じ、そのコントラストがとってもきれいなのでオススメです(笑)
渋谷:
ふたりのもの(笑)。ハネムーンとしても人気の場所ですよね! そこのスパではどういった施術が受けられるんですか?
板倉:
フォーシーズンズのスパは、世界中どこもそれぞれ土地のものを生かしたいいものをやっているんですけども、特にランダーギラーヴァルではフォーシーズンズ初のアーユルヴェーディックのスパをやっていてメニューも豊富にあるんです。
渋谷:
たとえば?
板倉:
ここのスパの魅力っていうのは、この土地に古くから伝わるヒンドゥー教の嫁入り、婿入り儀式だったらしいんですけども、その女性バージョンにデヴィ・パワーニリチュアルというメニューがありまして。それは神聖な母になるためという意味合いもあるものなんですけども、子孫繁栄を重視されているんですね。それで女性の場合は子宮とか、第1チャクラ、第2チャクラと言われるところを開放してあげるっていう。
渋谷:
へぇー。
板倉:
逆に男性バージョンだと、第3の目と言われる第6チャクラとか、頭頂の第7チャクラとかの思考を開放してあげるっていうものがあって、女性と内容は全然違うものなんですけど、結局、男女それぞれ、そういうエリアのものを開放すると非常に自由になれて、かつ、ふたりで子づくりだとか、精神的なコネクションとかが充実してくるって言われてまして。それをそのまま体験できるというものなんですけども。
渋谷:
はぁぁぁ。
板倉:
2人のセラピストによってマッサージされるんですけども、その2人の息がぴったり合っていて、なんか安心感に満たされると言うんでしょうかね。是非、いろんなカップルに行っていただきたいですね。
渋谷:
わぁー行きたいです!
2009.10.17 O.A
スパ・ジャーナリスト 板倉由未子さん
『25ans』などの美容編集者を経て現職に。世界の癒しの現場を駆け巡り、雑誌、ウェブ等で土地に息づく「美とスピリチュアリティ」の融合した企画を提案&執筆している。これまでにアジア、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、アフリカなどを訪れる。現在、エルオンラインで『癒しの地、至福のスパへ』を連載中。