モデル・デザイナー 酒井景都さん
1982年、英国アンティーク屋を営む両親の元に生まれる。96年雑誌『オリーブ』でモデルデビュー。大学在学中の02年、ブランドCOLKINIKHA (コルキニカ)をスタート。Maade in COLKINIKHAとして毎回物語性のあるコレクションを展開。近著に、北欧を旅したエッセイ『Cirka Eden(シリカ エーデン)』。
渋谷:
酒井さんは雑誌『オリーブ』のモデルを経て、現在はファッション・ブランド「Made in COLKINIKHA(コルキニカ)」のデザイナーとしても活躍中です。この「コルキニカ」というのは?
酒井:
コルキニカというのは、ロシアの近くにある架空の国なんです。
渋谷:
架空の国なんですね(笑)
酒井:
だからいつも「どこにある国なんですか?」って聞かれたり、たまに知ったかぶりして「知ってる!」って言われることもあるんですけど(笑)。実在しないんですよね。ロシアの近くにある国と仮定して、そこの国のお洋服というコンセプトで作ってます。
渋谷:
そこはどういう国で、どんな人達が住んでいるんですか?
酒井:
あんまり先進国ではなくて、貨幣が首都でしか流通していないっていう設定で。それでぶつぶつ交換をして暮らしているっていう、ものすごくロハスな感じの国ですね。
渋谷:
へぇー。その国は、自分の中で、結構細かいところまでイマジネーションされているんですか?
酒井:
そうですね。まず国旗があって、国旗がブランドのネームタグなんですけど、それと国土も書いてデザインしたんです。ホームページに行くと見れるんですけど、ブランドを作るに当たって、いろいろブランディングをしていく上で、架空の国っていう設定を細かにしました。
渋谷:
今日もすっごく可愛らしいファッションで、まさに架空の国から来てくださったような…(笑)
酒井:
そんな感じですか? 良かったです(笑)
渋谷:
おとぎ話に出てくるようなロマンティックな可愛らしいものをテーマにされているんですか?
酒井:
そうですね。小さい頃から絵本とかも好きで、絵本のような国のイメージで洋服を作ってます。でも完全に絵本の登場人物のような服にしてしまうと、ストリートに合わなくなってきちゃうので、そこはリアルクローズとの兼ね合いも考えて、ちょっとファンタジックな、妖精が着ているようなフレアのスカートだったりとか、民族的なフォークロア調のものも好きで、そういうのも取り入れたりとか。あとは一番大事なのは、みんなが着れるように、ストリートや流行も取り入れつつ、着れるけどファンタジックな服という感じです。
渋谷:
今年の秋冬はどんなデザインを?
酒井:
「星降る夜のエピローグ」って言うテーマなんですけども、星のモチーフがキーワードになっていて、星のテキスタイルだったりとか、そういう感じですね。
渋谷:
わぁー素敵!
酒井さんは雑貨やインテリアを紹介するエッセイも書かれているんですよね。これまでにロンドンやパリのお店を紹介されているんですが、先日『シリカ エーデン 酒井景都のかわいい北欧案内』を出版されたばかりで。拝見させていただいたんですが、すごい可愛い本! 釘付けになりましたよ(笑)
酒井:
ありがとうございます!
渋谷:
私、ヨーロッパって新鮮なところで、なんかね、メルヘンチックで別世界ですよね。モノも、建物も、人も、食べ物も見たことのないものがたくさんあって。
酒井:
なんか色とかもすごいキレイでした。
渋谷:
ねー! 日本の都会の風景と、向こうの都会の風景を比べた時にすごく違いますよね? 何が違うんでしょうね?
酒井:
なんですかね? 日本よりカラーバリエーションは多いんですけど、街並に溶け込んでいるというか。建築とかもいろんな色だったりするじゃないですか。そういうのがあまり派手派手しくないというか、いろんな色がある割にしっくりきているというか。
渋谷:
統一感が感じられる。不思議ですよね。今回の『シリカ エーデン』では、フィンランド、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーがピックアップされているんですが、4ヶ国旅をされて…。どんな本になってるんですか?
酒井:
ちょっとフォークロアな感じをテーマにしていて、北欧の人達が普通の暮らしで何を使っているかとか、北欧のマーケットに行ったりだとか、食器を巡ったりとかしていて、見応えがあると思います。
渋谷:
取材をしていて、特に夢中になってしまったものって?
酒井:
フィンランドで“セカンドハンドショップ”って言って、日本で言うリサイクルショップみたいなところがあったんですけど、「FIDA」というお店で、そこがすごい安くって、食器とかもオシャレで。向こうの人にとっては普通なんだと思うんですけど、ものすごくたくさん家用に買い物してしまいました(笑)
渋谷:
1日のうちの取材時間はどのくらいなんですか?
酒井:
ノルウェーとフィンランド、デンマークは春に行ったんですけど、やっぱりちょっと寒くって。だけど1日中、昼間だったんですよ。
渋谷:
1日中昼間って、どういうことですか?
酒井:
ほぼ白夜みたいな感じで。夜中の11時半くらいにやっと暗くなってくるっていう感じだったので…。
渋谷:
えぇー! じゃあ撮影は、いつ始めていつ終わるんですか?
酒井:
朝早くホテルに集合して、カメラマンさんと一緒に行動して。明るいからずっと写真が撮れちゃうので、長い時間撮影してましたね。夜11時半でも夕方くらいの感じで。いっぱい写真を撮りましたね。カメラマンさんは大変だったと思います。
渋谷:
本当に盛りだくさんで、素敵な文章も綴られていて…。女の子の憧れる世界ですよね。
酒井:
そうですね。女子だったらみんな好きなんじゃないかなって思います。
◆ONLINE SHOP >>http://zozo.jp/brand/madeincolkinikha.html/
◆blog >>http://www.colkinikha.com/blog/
*11月4日(水)まで渋谷PARCOパート1 4F に限定ショップオープン。
*ガイド&エッセイ『Cirka Eden(シリカ エーデ ン)』(マーブルトロン刊)
2009.10.31 O.A
モデル・デザイナー 酒井景都さん
1982年、英国アンティーク屋を営む両親の元に生まれる。96年雑誌『オリーブ』でモデルデビュー。大学在学中の02年、ブランドCOLKINIKHA (コルキニカ)をスタート。Maade in COLKINIKHAとして毎回物語性のあるコレクションを展開。近著に、北欧を旅したエッセイ『Cirka Eden(シリカ エーデン)』。