
サックス、クラリネット奏者 梅津和時さん
国立音楽大学在学中よりプロ活動を始める。RCサクセションとの共演をはじめ、様々なジャンルのミュージシャンやダンサーとのコラボレーションも精力的に行っている。また海外ツアーも多数行い高い評価を受ける。還暦を迎えた現在は3つのバンドのリーダーとしても活躍。3月16日~22日まで毎日、新宿PIT INNにてライブ開催。
渋谷:
梅津さんは、いろんなジャンルの方々とコラボレーションされているんですが、私の梅津さんとの出会いのキッカケというのがユニークで、なんと、コンテンポラリーダンスの公演を観に行った時に、梅津さんが生演奏をされていたんです!
梅津:
ねぇ、あそこから番組のゲストに呼ばれるなんて思ってませんでしたから…。
渋谷:
武元賀寿子さんというコンテンポラリーダンス界では有名な方の舞台だったんですけど、その時の演奏がとても新鮮な、斬新な音で! 難しい表現や、深い世界を音楽で表現されていて、見事にダンスとコラボレーションしてたんです。
梅津:
ありがとうございます。
渋谷:
今まで最も衝撃を受けた、歌い手の方とのコラボって?
梅津:
何人かいるんですけど、やっぱり忌野清志郎君かな。
渋谷:
どういう出会いだったんですか?
梅津:
清志郎君がロックバンドをやる前に1、2回セッションしてるんですけど、それからRCサクセションとして、渋谷の屋根裏とかで出て来た時に、僕は「生活向上委員会オーケストラ」というのをやっていたんですが、久保講堂でコンサートをやるに当たって "サックスを入れたい!" って、突然電話がかかってきまして。
渋谷:
はい。
梅津:
でも忙しかったんで、"やりたいけど、ちょっとムリだなぁ" って話してたんだけど、延々と電話を切らずに説得されて。それでやったらものすごく面白かったんですよ(笑)。
渋谷:
へぇー! どういうところが面白いと思ったんですか?
梅津:
あまりロックにサックスが合うとは思ってなかったんですよ。どうやったらいいのかな?って思ってたんですけど、やってみたらRCのリズムセクション、と言うか、忌野清志郎の声にものすごくしっくり入っていけたんですよね。彼らのステージ上の動きなんかにもとても素直に入っていけたんで。"うわぁ、これは楽しい!" と(笑)。
渋谷:
忌野さん自身はどんな方なんですか?
梅津:
僕から見るとシャイで、割と無口な方ですけど。時々ぼそっと "何をやりましょうか?"って感じで。
渋谷:
そうなんですか! ステージではすごくエネルギッシュな方ですよね?
梅津:
全部そこに溜め込んでいて、バーンと弾けているような感じがしますよね。
梅津さんはソロ活動だけでなく、3つのバンドのリーダーを務めていらっしゃるんですよね?
梅津:
ひとつは「KIKI BAND」という4人組のバンドで、ほとんどが日本とヨーロッパのツアーなんですけど。
渋谷:
海外でもライブをやってるんですよね? どういう場所で演奏されるんですか?
梅津:
ヨーロッパのジャズフェスティバルとか、小さな街の小さなクラブとかを廻ったり、面白いですよ。
渋谷:
そしてもうひとつが「こまっちゃクレズマ」。
梅津:
6人全部アコースティックな楽器で、ジューイッシュ(ユダヤ)の人達の音楽だったり、そこから発展した自分たちのオリジナル曲をやってます。やっぱり東欧とかロシア、アイリッシュなどの影響が強いですね。
渋谷:
エスニック色がある曲って血が騒ぐというか、ワクワクしますよね。
梅津:
大好きなんです。あとは「新大久保ジェントルメン」というバンドです。
渋谷:
これは新大久保をメインに?(笑)。
梅津:
最初、新大久保のジャズクラブから始まったのもあって。新大久保は無国籍なイメージがあって、その辺のパワーが欲しくてその名前にしたんです。
渋谷:
精力的に活動されていますよね! 3月16日から22日まで、丸一週間毎日ライブを行うんですよね?
梅津:
はい。『2010春 梅津和時・プチ大仕事@新宿PIT INN』というライブで、山下洋輔さんや舞踏家の田中泯さんが出たりとか、毎日日替わりで面白いものをやります。インプロビゼーションだったり、ジャズだったり、ブルースっぽい日もあったり…。楽しいと思いますので、ぜひ観に来てください!
◆2010春 梅津和時・プチ大仕事@新宿PIT INN(2/16~2/22)>>http://amagaeru.com/cgi-bin/u-shi/ske/ume.cgi